ソロ・ギターのしらべ 愉楽の邦楽篇

南澤大介による『ソロ・ギターのしらべ』シリーズ第11作。
本作は“邦楽”をテーマに、日本人の琴線に触れるメロディをもつ童謡やアニメソング、懐かしの名曲などをソロギター用にアレンジした一冊である。選曲は幅広い世代に親しまれている楽曲が中心で、若い世代から祖父母世代まで楽しめるラインナップになっています。とくに童謡が収録されている点は、本作ならではの魅力といえる。『ソロ・ギターのしらべ』は、ギター1本でロックやポップスの名曲を演奏するスタイルを確立したCD付き楽譜集シリーズ。2022年時点で累計50万部を突破しており、楽譜としては異例のロングセラーとなっています。
本の構成は、左側に曲のタイトルと楽曲の説明、演奏の解説を掲載し、右側にTAB譜付きの楽譜を配置したレイアウトとなっています。見開きで1曲が完結するため、演奏中にページをめくる必要がないのは大きな利点です。その一方で、1ページに情報を収めている分、楽譜はやや小さく、見づらいという声もあります。コードダイアグラムによるイラスト解説は、従来の「ソロ・ギターのしらべ」シリーズと比べると少なめです。しかしその代わりに、TAB譜の下部に「薬・中・人」といった表記で押さえる指が示されており、左手の運指に迷いにくい作りになっています。
収録曲
- 神田川/かぐや姫
- 北の国から~遙かなる大地より~/さだまさし
- 「いちご白書」をもう一度/バンバン
- あの日にかえりたい/荒井由美
- チャンピオン/アリス
- 言葉にできない/オフコース
- UFO/ピンク・レディー
- SWEET MEMORIES/松田聖子
- 優しい雨/小泉今日子
- 雨あがりの夜空に/RCサクセション
- 風をあつめて/はっぴいえんど
- 勝手にシンドバッド/サザンオールスターズ
- 乾杯/長渕剛
- 贈る言葉/海援隊
- なごり雪/イルカ
- 仰げば尊し
- 蛍の光
- さくら/森山直太朗
- 春の小川
- さくら
- 茶つみ
- ふるさと
- おぼろ月夜
- もみじ
- さよならの夏~コクリコ坂から~/手嶌葵
- Arrietty’s Song/セシル・コルベル
- カエルの合唱
- シャボン玉
- アンパンマンのマーチ/ドリーミング
- ETERNAL BLAZE/水樹奈々
※本記事内に掲載している演奏音源は、書籍内容のレビュー・紹介を目的として、 記事投稿者本人が試奏したものです。 原曲・編曲の著作権は各権利者に帰属します。 楽曲全体の鑑賞用ではありません。
この本は買うべきか?
結論、買っても損をしない一冊です。
- 長年続く「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの1冊
- 童謡をおしゃれにアレンジ
- ドロップDチューニングの曲が多い点は注意
童謡が弾きやすくて、楽しかったです。
実際に弾いて感じたポイント
ドロップDチューニングの曲が多い

南澤アレンジらしく、ドロップDチューニングの曲が多めです。6弦5フレットを基準としたベース音になる場合が多く、その音を薬指で押さえながら、人差し指や中指でメロディを弾くようなフォームがよく出てきます。この運指が頻繁に登場するため、個人的には弾きづらいです。「アンパンマンのマーチ」では、ベース音で薬指が素早く動き、ここに南澤大介らしさが感じられます。ただ、私はこのベースラインの動きはあまり好みではありません。本人によると、ドロップDチューニングにするだけでもアレンジの幅は大きく広がるそうです。
蛍の光アレンジはハーモニクスを理解できる一曲
「蛍の光」のアレンジは、ハーモニクスを理解するのに良い一曲です。童謡や唱歌は原曲に空白が多いため、南澤大介氏なりの解釈が入っています。ハーモニクスの音は哀愁を感じさせるためか、本書でもこのテクニックがよく使われています。12フレットや7フレットに軽く触れて弾くと、ハープのような高音が出ます。「蛍の光」のアレンジ前半はハーモニクスのみで構成されており、どこにどの音があるのかが分かりやすく、勉強になりました。
結論
童謡や「仰げば尊し」のような唱歌を練習するつもりなら、そこそこおすすめできる一冊です。もし童謡にあまり興味がなく、J-POPやアニメ曲を目当てに購入した場合は、それらのアレンジが少し難しく、意外と弾きたい曲が少ないと感じるかもしれません。